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BREATHING


1日に約2万回も繰り返されている呼吸


人はなぜ呼吸をするのかといえば、その目的は酸素を体内に取り込むことにが目的です。
人が生きていく、つまり生命を維持するためにはエネルギーが必要です。
私達の体はおおよそ60兆の細胞が集まってできていますが、この細胞が生きていくためのエネルギーは食物という形で取り入れられ、細胞内のミトコンドリアという小器官が各種の栄養素を燃やしてエネルギーを生み出しています。
この代謝には酸素を必要としそれによって炭酸ガス(二酸化炭素)が生じ、体外へ排出しているのです。
呼吸は生命維持のため無意識のうちに自然に反射的に行われていますが、実はこの呼吸という一連の流れにはたくさんの呼吸筋が働いているのです。
その中でも腹横筋は、お腹の壁である腹壁の最深部、第三層にある筋肉です。ちなみに、第一層が外腹斜筋、第二層が内腹斜筋。腹横筋は骨盤や肋骨下部から水平に走っていて、お腹の中心にある筋膜に付着します。
アウターマッスルが関節を大きく動かす働きを持つのに対して、腹横筋は緊張しながら伸びたり縮んだりする筋肉。内臓を守るコルセットような働きを持ちます。
そして、この腹横筋の重要な役割が、内臓を正しい位置に保って姿勢を安定させることです。
加齢によるインナーマッスルの衰えによって、内臓が正しい位置より下がってしまうのが、お腹まわりが太くなる原因の一つだとも言われています。それを解消するのが腹横筋なのです。
つまり呼吸を意識的に行うことで、腹横筋を含む呼吸筋の作用を最大限に利用し代謝を高めて、日常生活で太りにくい体を作り上げることが可能なのです。

kokyuu

呼吸の機能と呼吸機能不全


呼吸は生きるために一定のリズムを繰り返して行われるもので、その機能は脳幹の延髄で制御されています。
延髄には自律神経を制御する機能もあり、呼吸活動に限らず、内臓、血管系の制御にも影響を及ぼしています。
一方で、呼吸は随意的に変化させることができ、その機能は横隔膜を主働筋とした筋機能によって支えられています。
また、呼吸は大脳皮質(前頭葉・運動野)に関連しています。
呼吸は人間が生きる上で欠かせない活動です。
呼吸の目的は、体内に酸素(O₂)を取り入れ、代謝により生じる二酸化炭素(CO₂)を対外に排出することにあります。
また、運動中であれば、エネルギー代謝量に必要なO₂を供給し、産出されたCO₂を速やかに体外に排出するとともに、体内のCO₂濃度を一定に保つ恒常性機能を担っています。
呼吸機能不全は不良な姿勢や動作パターンに多くの影響を及ぼします。

また、呼吸機能不全の影響は
①アライメントへの影響
・腰椎前弯⇒股関節伸展制限
・肩の前突姿勢⇒肩関節屈曲制限
・平背姿勢⇒胸部拡張制限
②神経への影響
・交感神経優位
・特定の筋の過緊張
③動作への影響
・腹腔内圧(IAP)の低下による
スタビリティー・モビリティー不全
・胸部拡張制限によるスタビリティー・モビリティー不全

呼吸筋の多くは呼吸筋であると同時に体幹安定筋であり、その機能は相互関係にあるため、どちらか一方に偏ることなく両方のバランスを維持することが重要です。

呼吸筋のコンディショニング


最近の研究で、横隔膜や腹横筋は体幹の安定性と呼吸の維持を図る二重作用を持つことが明らかにされていて、姿勢制御機構としての呼吸筋の役割についての重要性がさまざまな研究から報告されています。
身体バランスの破綻、姿勢制御機構の破綻は、そのまま肺機能の破綻にも繋がるとも言われていますし、その結果として動作時では呼吸回数も多くなり、呼吸困難感も早期に増悪するとも言われています。
横隔膜の平坦化という病態から横隔膜や腹横筋などのlocal muscleの機能低下が生じていることもこれを裏付ける理由であると考えられています。

また、呼吸をトレーニングしている人の重心位置は、非トレーニング者に比べて低い位置にあるという研究もあり、横隔膜や腹横筋などの機能が高いレベルにある場合、呼吸のコンディショニングが優れていると考えることができます。
ある研究では、下部体幹での安定化が、深呼吸時の脊柱の可動性を高め、胸郭の可動性を引き出すという報告をしています。
呼吸筋のコンディショニングは、体幹の安定性を高める上でも不可欠であり、それが呼吸筋のリラクゼーションの獲得に寄与することにもなります。
呼吸筋のリラクゼーションを低下させる因子として考えられているのは、呼吸器症状の悪化、四肢体幹の運動性や筋力の低下、不良姿勢や不良動作などが挙げられますが、特にこの中でも不良姿勢により、体幹のlocal muscleはいとも簡単に機能不全に陥ってしまうことがあります。
例えば、身体力学的に良好な姿勢では、横隔膜は心臓下部の前方が脊柱の付着部よりも高くなるのに対し、不良姿勢では横隔膜前方は垂れ下がり、それに伴って胸郭前後径の減少がみられ、腹壁は弛緩していきます。
いわゆる「腹腔内圧」が弱い状態です。
この状態では、肋骨の動きも少なく、胸郭可動性もでないため、呼吸のしづらさが生じてしまいます。
基本的に、体幹は胸郭と脊柱、骨盤により骨格形成されているので、各々が影響しあう構造となっています。
ですので、どのパーツに問題が生じても、呼吸を円滑に営むための適切な体幹の動きが阻害されてしまいます。
また、それと同時に体幹の動きのバリエーションも減少し、力の入れづらさや動きづらさが生じることとなり、円滑な呼吸運動を行えなくなってしまいます。

呼吸や腹圧を高める上で欠かせない腹横筋


腹横筋は腹部の筋肉の中でもっとも深層部にある筋肉で、背中からお腹にかけてコルセットを巻くように横に覆っています。
腹横筋は腹圧を高めるために欠かせない筋肉で、息を吐くときに収縮します。
また腹横筋は、スポーツ動作で一番初めに筋収縮する筋肉でもあります。
かつては呼吸のためだけの筋肉だと考えられていました。
トレーニングにおいてもあまり重要視されていなかったのですが、スポーツ科学の研究が進み、全身の筋肉の中で一番始めに筋収縮することがわかりました。
つまり、腹横筋を充分に使うことによって、他の筋肉も効率的に使えるようになるのです。
また、腹横筋はお腹周りをほぼ一周取り囲むコルセットのような役割があります。
その圧力が高ければ高いほど腰部は安定したポジションをとることができます。
痛めやすい腰の周囲を守り背骨のバランスを安定させ、適切なポジションを保つ重要な働きをします。
正しい姿勢を保つためにも大切な筋肉なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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